世界の旅 欧州 ドイツ マイセン

[旅の日記]

マイセン Meißen 

 憧れの磁器マイセンの里を訪ねての旅です。
ドイツ国鉄でマイセン駅に降り立ったのは、ちょうど正午のことでした。
駅を出てエルベ川沿いに歩いていくと、やがて道は川をまたぎ対岸の旧市街へと続きます。
その橋の辺りから、街のシンボルであるアルブレヒト城が見渡せます。
増築を重ねた城は、建てた時期により様々な色の壁を持ちます。
そのアルブレヒト城を目指して歩くことにします。

 道はマルクト広場に出ます。
ここには市庁舎やフラウエン教会があり、にぎやかな街の様相を描いています。
城に行くにはそこで左折します。
やがてマイセンの直営店が見えてきます。
店の前で客がショーウィンドルを覗いてるので、すぐに気がつきます。
私もどんなものか品定めをしてみましたが、やはり高い。
コーヒーカップ1客で、安いもので100ユーロ(約1.3万円)、高いものでは500ユーロ(約6.5万円)もするのです。
これではとても手が出ません。
冷やかしはこれぐらいにして、先を急ぎます。

 階段状になった道を登ると、そこにアルブレヒト城がありました。
そしてその中央には大聖堂があります。
城と大聖堂のコンビネーションチケットを買うことにしました。
アルブレヒト城は、城の中を見学することができます。
丸く型取られた天井の形は、安心感を与えます。
この城はその昔、マイセン陶磁工場が城内にあったのです。
中国の陶器のような白い皿を作ることにヨーロッパで初めて成功したことから、その秘密を守るために城の中に工場を作ったと言うことです。
もっとも今は別の場所に移されましたが。

 一方大聖堂は内部にクラーナハの祭壇画が飾られています。
そして訪れたときはちょうど結婚式を行っていました。
前の席には新郎新婦、そして親戚一同といったところでしょうか、20~30人が座っていました。
そしてそこにパイプオルガンの演奏が始まりました。
思わず席に座り、パイプオルガンの音色に聞き惚れたのでした。

 さてマイセンに来たのは他でもなく、マイセン磁器をこの目で見たかったからです。
アルブレヒト城からマルクト広場に戻り、さらにマイセン磁器工場まで約2kmの距離を歩きます。
工場では見学用の工房と磁器博物館があります。
せっかく来たことですから、両方とも観ることにします。

 工房はロクロを使って型を作るところから、貼り合わせ、下絵付け、本塗りまでを部屋を替えて実演を見ることができます。
特に手作業による細かな絵付けを見ていると、マイセン陶器の値が張るのが納得できるような気がします。
でもその手間賃以上に高いのですが。
そして博物館では、歴代のマイセン陶器が飾られています。
特に入り口正面の16客のマイセン陶器が並べられたテーブルは、壮大なものでした。
恐らくこれだけでンー億円するのでしょう。

 工房、博物館を見終えて、工場内の喫茶店に行きます。
実はここではマイセン陶器でコーヒーを飲めるからです。
そしてそのあとは、高い高いお土産を買って帰ったのでした。

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