[旅の日記]
カンチャナブリー กาญจนบุรี 
「戦場に架ける橋」で一躍有名になったクウェー川鉄橋。
この鉄橋を見るために、カンチャナブリーに行ってきました。
タイ西部のミャンマー国境近くにあるこの町では、第2次世界大戦時に日本軍が旧ビルマへの軍需輸送のために築いた泰緬鉄道があります。
多くの捕虜を使って過酷な鉄道建設を行ったことで、悪名高い鉄道になっています。
先ず着いたのは、その第2次世界大戦で連合軍兵士を弔う「連合軍共同墓地」です。
西洋風の背の低い墓石が、芝生に並びます。
そして「第2次世界大戦博物館」。
日本がタイを占領し、戦争の渦に巻き込んでしまった悲しい記録です。
博物館では、鉄道建設の様子が絵になって残っており、当時の悲惨で生々しい様子が手にとって判ります。
BOMBとペンキの跡の残るさび付いた爆弾が、無造作に飾られていたのが印象的でした。
博物館で事前に知識を収集した後は、目指すクウェー川鉄橋へ。
この鉄橋は列車が来ないときは、線路の上を自由に渡れるようになっています。
列車と言っても1日4本ぐらいしか通りませんから。
列車までしばらく時間がありましたので、鉄橋を足でもって実際に歩くことにしました。
対岸では原石(宝石?)を並べて、観光客相手に商売をしていました。
駅前の広場には、当時は知っていたSLが飾られています。
日本国内で走っていたものをあります。
SLといえば真っ黒なイメージがありますが、ここのものは青や緑に色が付けられています。
そうこうしているうちに列車の時間となりました。
ところが切符売り場で切符を売るわけでもなく、とにかく乗れと言われて乗ってしまいました。
車内で車掌が来たのですが、席の取り合いでもう喧嘩状態。
なんとか席は確保でき、やっとゆっくり座ることができました。
ちなみにエアコン車両の料金は、普通車両の2倍です。
しばらくは一直線の線路をただすら走り続ける列車でした。
一直線なのになんでこんなに揺れるのだろうと、日本人の私にはどうしても理解ができないものがありました。

無造作に巻かれた石の上に、敷いたよなレールをです。
列車はその上をひたすら走ります。
車両が古いのか速度が速いのか判りませんが、とにかく良く揺れます。
さらに列車は、クウェー川沿いを走ります。
昨日の雨で川の水は増し、泥が舞う赤茶色の濁流と化しています。
川辺の赤土をごっそりさらい流しているようです。
川辺には時たま民家も見えますが、その多くはジャングルの中を流れる川です。
さてクライマックスは、列車が渓谷を走るあたり。
泥色の河川に沿って走る列車は、崖にへばりついたようなちっちゃな橋に差し掛かります。
急にノロノロ運転になり、老朽化が進み早く走れないというアナウンスがその場を盛り上げてくれます(老朽化で危ないのは本当のようですが)
そして、覗きたいならばどうぞとばかりにご丁寧に前の扉まで開けてくれ、サービス精神満点でした。
終点のナム・トク駅にも、SLが展示されています。
ここからは、乗り合いタクシーでエラワンの滝へ。
滝に行くには、バンの荷台に左右に座席をつけただけのタイ特有の乗合いタクシーに乗っていきます。
走行中に落ちても本人責任なのでしょう。
さて、エラワンの滝は日本の荒々しい滝とは趣きが違って、「やさしい」と言う言葉が似合うような滝です。
丸みを帯びた岩肌を、水が覆うように流れています。
滝では多くの人が水浴びをしており、水着を持ってこなかったのが悔やまれたのでした。
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