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[旅の日記]

蘇州 苏州  

 上海から車で2時間ぐらいの蘇州、ここが今回の舞台です。
かつては絹織物で発展し、今は上海の近隣都市として経済発展が著しいところです。

 2400年前の春秋時代、越王との戦いに敗れた呉王の闔閭はこの地に埋葬されます。
それから3日後、その墓に白い虎が現れたことから「虎丘」と呼ばれることになりました。
最初に訪れたのは、その王の墓のある「虎丘」です。
目印は蘇州のどこからでも見える塔があります。
それでは、その塔の近くまで行ってみることにします。

 剣池を越え奥に入ったところに、「虎丘雲巌寺塔」はあります。
小高い丘を登っていくと、そこには八角形をした塔がそびえたっています。
宋の時代に建てられたもので、現在は3度ほど傾いています。
イタリアの「ピザの斜塔」の中国版のようなものです。
これほど傾いているのに倒れないなんて、地震の少ない中国だから保存できる建築物です。
車が蘇州に入ったときに見えていた塔が、まさに目の前の「虎丘雲巌寺塔」の塔だったのです。

 さて次に立ち寄ったのは「寒山寺」です。
水の都のごとく運河に浮かぶ船を見ながらやまぶき色の壁を入ると、そこには「寒山寺」の境内があります。
大晦日には除夜の鐘が突かれるところでもあり、まずは願いを込めて鐘を突くことにしましょう。
1回突くと10年長生きするということですから、鐘を突くのにも多くの人が列をなしています。

 さて次に訪れるのは、「西園」です。
南北朝時代の武帝の時期に「妙利普院塔院」として創建されました。
「寒山寺」という現在の名前は、寒山がこの地で草庵を結んだことから来ています。
伽藍は8世紀から9世紀にかけての創建されました。
宋代には節度使の孫承祐によって7層の仏塔が建てられました。
寺の名前も「普明禅院」と改め、1134年には僧法選によって再建されています。
全盛期の寒山寺は今よりはるかに広大で、「馬に乗って山門を見る」と言われるほどでした。
蘇州に入るにはまず寒山寺からというのは、今も昔も変わりません。

 寺の中には水路があり、その水路を辿っていくと放生池に着きます。
ここはカメが祭られていて、池の周りには2対のカメの像が祭られています。
このカメを目にすることができれば、良いことが起こると言われています。
幸か不幸か、現地の人でもなかなか見ることのないカメとの遭遇できました。
このことに、周りの中国人たちは喜ぶことしきりでした。
これは何か良いことがあると、皮で作ったカメと糸で編んだお守りを買って帰ったのでした。

 本日最後に訪れたのは「拙政園」です。
明代の1509年に築かれた庭園です。
52,000平方メートルの広さを有し、東部・中部・西部の3つのエリアに分かれています。
中国四大名園のひとつに数えられ、世界遺産にもなっています。
曲がりくねった回廊を歩いていくと、その奥には庭園があります。
庭園の中央には池があり、そこに無数の錦鯉が飼われています。
皇帝の持ち物かと思っていたのですが、ここは個人の所有物だったと知り、びっくりです。
8年の歳月を費やして造られた庭園だと言われ、木々と岩とが調和した中国風のものです。
岩を並べ中央に水を湛え、落ち着くことのできる庭園です。
訪れたときにはちょうど、2人の中国美女による演奏が行われていました。

 いつかは訪れてみたかった蘇州の夢を果たすことができました。
こうして再び上海に帰って行ったのでした。

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