[旅の日記]
杭州 杭州 
今日は上海から杭州までの列車の旅です。
中国では「汽車」といえばバスのことですので、間違えないように。
ちなみに列車は「火車」といいます。
上海からは快速列車に乗込み、杭州まで2時間かかります。
2階建ての列車で、向かい合わせの4人席です。
向かいの人と膝が当たり、バスよりずっと窮屈な2時間になりました。
さて杭州で最初に訪れたのは、「西湖」です。
1周15kmの広大な湖で、中央の島「小瀛洲」までは船で渡らなければなりません。
そこで遊覧船に乗るために、並ぶことにしました。
「西湖」を移動する間に、右手の岸に塔が見えます。
これは「少林寺」で、日本でも有名な少林寺拳法の発祥の寺です。
また「西湖」を行き交う船の中には、瓦屋根をもつ船もあり興味が注がれます。
まるで家が流されているかのような船です。
また2004年発行の人民元1元札の裏面の図案にも選ばれるようにた、「西湖」は風光明媚な場所でもあるのです。
そうしてしばしの船旅を楽しんでいると、船は「小瀛洲」という「西湖」に浮かぶ島に着きます。
別名を「三譚印月」ともいい、湖面に映る月を見ると3つに分かれて見えるということから来ています。
「小瀛洲」のなかには、さらに池が造られています。
池には蓮が浮かび、そこにジグザグの九曲橋が架かっています。
鬼が追っかけてきても鬼は曲がることができないことから、鬼よけのためにジグザグの形をしているのです。
1時間かけて、ゆっくり島の散歩をしてきました。
再び船に乗り「小瀛洲」を後にして、今度は「西湖」の北側にある「岳飛廟」へ。
南宋時代の英雄である岳飛を記念して建てられた廟です。
岳飛の墓もここにあります。
墓の周りには、写真に示すように石造が並んでいます。

次には「黄龍吐翠」へ行きます。
「黄龍吐翠」は、かつて道教の聖地だったところでもあります。
門をくぐると数多くの竹が植えられており、その中を道が続きます。
道には中国らしく赤色のちょうちんが飾り付けられています。
吐翠とは山の岩から澄んだ泉が流れ出る光景を表現しています。
南宋時代に雨乞いをしていたところ、岩が裂けて水が噴出したということから「黄龍吐翠」という名前がつきました。
西湖新十景にもなっています。
その次に訪れたのは、「霊隠寺」です。
「西湖」の西側にある北峰山の麓にある寺院です。
岩肌をくりぬいて数々の石造が造られている飛来峰石窟があります。
石造の横は遊歩道となっており、一体ずつ石造を見て廻ることができるのです。
そして今日の締めに寄ったのは、「杭州宋城」です。
ここは、南宋時代の街並みを再現したテーマパークです。
南宋時代の店には宋の衣装をつけた従業員が扮し、また場内では古典音楽の路上演奏も行われています。
古き良き時代を再現しているのでしょうか。
ちょうど帰ろうとしたその時のことです。
竹馬のようなものを足にはめての踊りがあり、帰路の足を止めてしばし見入ってしまいました。
さて来るときは2時間だった列車ですが、帰りは4時間もかかってしまったのです。
上海まで順調に来ていたんですが、あと1駅と言うところで延々と待たされたのです。
これが本来の運行ダイヤなのかどうかは判りませんが、雨が降り出してそれが影響したことは間違いないようです。
かくして上海に着いたのは24時。
上海駅ではタクシー待ちの長蛇の列です。
タクシー1台を捕まえるのにいかに苦労したのかは、中国を知っている人なら誰しも経験したことがあることでしょう。
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