[旅の日記]
海寧観潮 海宁观潮 
「海寧観潮」なるものが観れると聞いて、今回は海寧に出かけることにしました。
海寧はどこかというと、浙江省にあり上海から行くとちょうど杭州の手前。
では何があるのかと言うと、ただ川を見に行くだけらしい、そんな怪しげな予備知識だけで出かけてしまいました。

着くとそこは巨大河川の「銭塘江」。
「玉虹横江」の文字の書かれた門を入って行きます。
日本では河川は対岸が見えるものだという概念がありますが、海外の大河川はそんなもんじゃない。
水の色は決してきれいとはいえないその「銭塘江」ですが、河川に沿って何故か椅子とビーチパラソルが並んでいるのです。
料金を払って席に着くと、1杯のお茶が出てきました。
「とにかく待っていろ」と言う言葉を半信半疑で聞きながら、先ほど買ったばかりのサトウキビをしゃぶって待つことにしました。
そうそう言い忘れましたが、海寧に着いて最初に目に入ってきたのが、サトウキビの行商。
戦前でもあるまいし日本では食べたことのないサトウキビですが、ここ中国の田舎町では立派なおやつなのです。
珍しさも加わって買ってしまいました。
自転車で運んできた2~3m程もある枝を、売り子のおっちゃんはなたで器用に皮をむいてくれ、それをぶつ切りにしてくれたのです。
そのサトウキビ、口の中で甘い水分がなくなるまでムシャムシャほお張り、最後に繊維質だけを出すのです。
中国に来て感心したものの中に、中国人の口の器用さがありました。
喫茶店で出された炒ったひまわりの種を、口の中で噛みながら皮だけを吐き出すのです。
これが以外に難しいのです。
初めて見たときはひどく感心しましたが、今回のサトウキビでも現地中国人の口の器用さに脱帽です。

ここまでやってきた理由は、昼過ぎに判りました。
それまで椅子に座ってお茶を飲んでいた人たちが、突然「銭塘江」の下流を見つめて騒ぎ出したのです。
そう、杭州湾が異常干潮になるこの時期に、潮が河川を逆流してくるのです。
下流遠くのほうからこの広い河川一面に大きな波が押し寄せてくるのです。
ゴウゴウと音を立てながらやってくるこの波は、確実にこちらに向かってきています。
5分程でしょうか、波は私の前を通り過ぎさらに上流に上っていってしまいました。
後に残った「銭塘江」は、台風の通過した後のように、茶色くにごった泥の川と化していました。
この日の昼食は、近くの食堂で。
食堂と言っても日本言う「めしや」です。
地元のビールと現地の中華料理、つまり肉や野菜を1皿取りました。
そしていつもと違うのは、食卓にかにが乗っていることです。
今は上海蟹のシーズン。
上海で食べると50~60元するかにですが、ここ海寧で食べたものはなんと1匹10元。
飾りつけなどなく、蒸したかにを無造作に皿に乗せただけのものですが、おなかにしっかり卵が入っています。
上海がには足は細く身を食べるというのではなく、チューチューすすりながら食べます。
7~8匹は食べたでしょうか。身は少ないものの、かにみそと卵をほおばって、この時ばかりは大満足でした。
さてその帰りに古い中国の町並みを再現した一角にも寄ったのですが、名前を忘れてしまいました。確か「塩官景区」という名前だったような…。
そして今回のもうひとつ楽しみ、それは田舎に出てきて安い物を探すことで、それは先ほど食べたかにと「買い物」です。
駅前商店街には、革製品ばかりを扱う店が集まるビルがあるのです。
来たるべく冬に備えて、私もここで皮ジャンを400元(6000円ぐらい)で見つけてきたのでした。
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